釣りにはどんなイメージをお持ちでしょうか?
高価な道具を使って大物を狙うイメージでしょうか?
白波が打ちつける岩礁での磯釣りでしょうか?
クルーザーから疑似餌を流しながら狙うカジキ釣りでしょうか?
今回は、比較的ローコストで手軽な道具で始められる初心者向けの釣りとして、防波堤からのルアーフィッシングを紹介します。
意外に簡単に釣れるのに、食べて美味しい魚を釣ることが可能です。
初心者におすすめ!防波堤からのルアーフィッシング
釣り初心者におすすめしたい釣りは『防波堤からのルアーフィッシング』です。
この釣りには2つの大きな要素があります。
(1)防波堤での釣り
(2)ルアーフィッシング
初心者におすすめポイント(1) 防波堤釣り
「堤防釣り」は釣りを始めるにあたって比較的ハードルが低く、ポイントさえおさえれば初心者でも釣果を得やすいため、初心者向けの釣り場として最適な場所と言えます。
釣り初心者に「防波堤釣り」がおすすめの理由があります。
・安全(平らで滑らない、波をかぶらない」
・魚が集まる、良く釣れる
・交通の便がよい、アプローチしやすい
平らで滑らない、波をかぶりにくい
防波堤は人の手で整備された場所なので、足場が平らでしっかりしていて滑りにくいことがメリットです。釣り座も多くの人が利用できるだけの広さがあり、波をかぶりにくい高さがあるので安心して釣りを楽しむことができます。
初心者のうちは、やはり安全性を第一に考えて釣り場を選ぶべきです。
魚が集まり良い釣果を得やすい
陸地から海に向かって突き出したような形状の防波堤は、潮通しがよく、多くのアングラーが釣りをすることで常に魚のエサを撒いているため、魚が集まりやすく釣果が出やすい環境にあります。
イワシやアジ、サバなどの青魚が防波堤に沿って群れで泳ぐ姿はよく見られる光景ですが、その小魚を狙って、フィッシュイーターの大型魚も回遊してきます。さらに根付の魚も多く、魚種の多さも特徴です。
交通の便が良くアプローチしやすい
比較的都会に近い防波堤でも、小魚を中心によい釣果を得やすいのも防波堤釣りのメリットです。
危険な岩場を歩いたり、渡船で岩礁に渡るなどが不要で、近隣の駐車場にクルマを預け平坦な舗装路を歩いてアプローチできる防波堤は、リスクが少なく初心者向けの釣り場と言えます。
初心者におすすめポイント(2) ルアーフィッシング
初心者にルアー釣りをおすすめする最大の魅力は「エサ選び」「エサ付け」が不要なことです。
釣りを敬遠する大きな理由のつが「エサ」です。
魚種に合わせたエサ選びが面倒で、また虫などの生餌を針に刺すのも苦手という方にとって、「釣り餌」は敬遠したい作業です。
初心者にルアーフィッシングがおすすめの理由
・エサの用意が不要
・エアア付けが不要
・いつでも好きな時に釣りができる
・タックルがシンプルで安価に揃えやすい
エサ選び・エサ付けが不要でいつでも好きな時に釣りができる
エサに見せかけたルアー(疑似餌)をラインの先に付けて釣りをするルアーフィッシングは、初心者が苦手な「エサ」の準備やエサ付けが不要で、手が汚れにくく臭くならない点もおすすめのポイントです。
また、エサの準備が不要なことから、釣具店(エサを打っている店舗)がなくても、営業していなくても、いつでも好きな時に釣りができることもメリットと言えます。
タックルがシンプルで安価に揃えやすい
「タックル」とは、釣り竿(ロッド)やリール、釣り糸(ライン)など、釣るための道具一式を指します。
ルアーフィッシング用のタックルは非常にシンプルで、それもまた初心者にお勧めの理由です。
釣りたい魚のサイズや魚種によって多少の違いはありますが、基本的には「ロッド」「リール」「ライン」と、ラインの先に付ける「ルアー」があれば釣りができます。
必要な道具の点数がすくないので、必然的に最初に必要な費用も小さいコストで済みますし、クルマに積んだり自宅で片づけておくにも場所を取らないのもメリットです。
防波堤ルアーフィッシングの基本の道具(タックル)
防波堤ルアーフィッシングの基本的な道具(タックル)を5点紹介します。基本中の基本タックルです。
ロッド
いわゆる「釣り竿」です。
ロッドの役割は、「しなり」によって仕掛けを飛ばすことと、魚が掛かった際の抵抗を緩和することです。
防波堤ルアーフィッシングには、ライトゲーム用のルアーロッドがおすすめです。ロッドが太く固いほど重い仕掛けを使うことができますが、アジ・サバ狙いであれば短く軽量なロッドで充分です。
リール
リールは、スピニングリールと、ベイトリールがありますが、初心者は構造がシンプルで扱いが容易なスピニングリールがおすすめです。
ターゲットにする魚種によって「番手」が違いますが、アジ・サバ狙いなら1000番、シーバスや青魚の幼魚(イナダなど)を狙う場合は2000番がおすすめです。
ライン
ラインは素材や太さなどで多くの種類があります。ナイロンラインは最も一般的なラインで、伸縮性・柔軟性があるので魚がバレにくく、初心者にも扱いやすいラインです。
フロロカーボンラインは、ナイロンより伸縮性がなく魚のアタリや動きがダイレクトに伝わってきます。反面、魚がバレやすいので初心者は取扱いが難しいかもしれません。
PEラインは繊維を編み込んでいるので強度の高いラインで、フロロカーボンよりさらに伸縮性がなく魚の動きを鋭敏に伝えてきます。
ルアー
ひと口にルアーと言っても様々な種類があります。
まず大きく「ハードルアー」と「ソフトルアー」に分けられ、プラスティックや金属でできや魚の形を模したミノーやクランクベイト、ポッパーなどのハードルアー、ゴカイやエビ等に似せたワームがソフトルアーです。「餌木」と呼ばれる日本古来のエビに似せたイカ釣り用の疑似餌もルアーの仲間です。
ルアーの動かし方で魚に食いつかせるため非常にゲーム性が高く手軽に楽しめる上、エサの購入や管理(生餌は生かしておかなければならない)などが不要な点でも人気です。
釣りたい魚種によって使用するルアーが異なります。
便利アイテム
釣りの際にあると便利なアイテムは様々ですが、ここでは、防波堤ルアーフィッシングにおすすめの2アイテムを紹介します。
【プライヤー】
プライヤーは、簡単に言うとラジオペンチのような形状の道具で、ルアーのフック交換や、釣れた魚の口に刺さったフックを外す際にも安全で便利なアイテムです。
【フィッシュグリップ】
アジ・サバぐらいであれば素手で掴んだり、軍手程度で大丈夫ですが、シーバスが釣れた場合には幼魚(フッコなど)であっても鋭い歯やヒレで怪我をする場合があるので、魚を掴むためのフィッシュグリップも用意しておくことをおすすめします。
【クーラーボックス】
釣った魚を保存しておくことはもちろん、飲料を冷たく保ったり、食品保存などに必須のアイテムです。凍らせたアイスパックを持参したり、コンビニや釣具店で氷塊を購入して冷やします。
後述するポータブル電源があれば、ポータブル電気冷蔵庫が使えます。アイスパックや氷が不要なため、暑い時期や長時間の釣行におすすめです。
防波堤ルアーフィッシングで釣れる魚とは
堤防のルアー釣りでは、どんな魚が釣れるのでしょうか。釣り初心者の方にとって、ここが一番、気になるところでしょう。
実は防波堤では、意外な大物が釣れる場合があって、気軽に始めた釣りにのめり込んでしまったと言う人も少なくありません。
アジやサバなどの小型青物
食卓にもよく登場する、いわゆる大衆魚と呼ばれる「いわし」「あじ」「サバ」などは、防波堤釣りのメインターゲットで、アジやサバはルアーでも釣ることができます。
アジやサバは春先から、晩秋にむけて徐々に成長して魚体が大きくなってゆくので、春~秋まで飽きずに防波堤から狙うことができ、食べてもおいしいので人気のターゲットです。
アジ・サバ狙いの場合は、いわゆる「ライトゲーム」と呼ばれる釣り方で、5g程度までの小型のルアーを使います。アジやサバのほか、メバルもヒットして楽しませてくれます。
ライトゲームは、タックルが軽いので、女性や子どもにもおすすめできるルアー釣りです。
ブリ、サワラなどの中~大型青物
全国どこでも…というわけにはゆきませんが、防波堤に集まるイワシ・アジ等を狙って、フィッシュイーターと呼ばれる中型〜大型回遊魚の幼魚が集まってきます。
ブリの若魚である「ワカシ」や「イナダ」や、スズキの若魚である「セイゴ」や「フッコ」などは防波堤では比較的よくヒットする魚ですし、特に暗くなってからの夜釣りでは盛んにルアーにアタックしてきます。場所によってはサワラなどもヒットしてくる場合があります。
ブリやスズキの若魚を狙う場合には、ライトゲームより少し番手の大きな道具を使って、ルアーもミノー(魚の形をしたルアー)や、メタルジグなどがおすすめです。ライトゲームのラインでは簡単に切られてしまうので、ラインも太くする必要があります。
アジ・サバと同様に、晩秋に向けてどんどん成長し魚体が大きくなるので、タックルも徐々に大きくする必要がありますが、初心者のタックルにも「ガツン!」と食ってくる可能性があり、しなるロッドや、リールから引き出されるラインが着られないかドキドキすることでしょう。
タチウオ
タチウオは、銀色の魚体とサーベルのような特徴的な魚体の魚ですが、防波堤からのルアーフィッシングのターゲットでもあります。
シーズンは夏の終わりから晩秋までで、当たりの強さが魅力のターゲットですが、ご存じの通り、食味もよく自宅に持ち帰っても歓迎される魚種です。
ただし、タチウオの歯は鋭いので不用意に触ると大きなケガをしますので、釣り上げた際には取扱いに充分注意が必要です。素手では触らないことをおすすめします。
カサゴ、ソイ
カサゴやソイなどの根魚もルアーフィッシングのターゲットです。
虫に似せた「ワーム」と呼ばれる疑似餌(ルアー)を使用して、岸壁の際から海底までを探る釣りです。
カサゴは最近では高級魚ですので、もし釣れたら嬉しい魚の代表格と言えます。
ワームは、回遊しているアジやサバにも有効ですし、海底が砂地の場合はキスも釣れる場合があるので、タックルボックスにぜひ用意しておきたいルアーです。
防波堤ルアーフィッシングにおすすめの時間帯
釣りは、釣果をあげやすい時間帯があります。いわゆる魚が口を使う時間~つまり魚がエサを食べる時間帯です。
朝マズメ・夕マズメ
日が昇る前後の時間帯を「朝マズメ」、日が落ちはじめる時間帯を「夕マズメ」といって、日のうちでも最も魚がエサを食う時間帯です。魚にとっての朝食・夕食といったところでしょうか。
朝夕のマズメの時間帯には、魚は積極的にエサを摂るので、疑似餌(ルアー)へのアタックも多くなり、結果として釣果が出やすい時間帯となります。
夜釣り
実は日没後の釣り、つまり「夜釣り」も比較的釣果が出やすい時間帯です。
日没後は、日中は警戒心が強く防波堤に近づかないような魚も、若干、警戒心が薄れるため想定外の大物がヒットする可能性が高くなります。
防波堤周辺には「常夜灯」が設置されていて、丸く海面を照らしている場合がありますが、照らされた部分にはプランクトンが集まり、それを捕食する小魚が群れている場合があります。明るい部分と、その外側の暗い部分の境目周辺にルアーを通すと、小魚を狙っている大物がヒットする場合があります。
夜釣りにはポータブル電源があると便利
夜釣りでは何かと電気を使うことが多いので、小型のポータブル電源があると便利です。
(1)集魚灯の充電・疑似的な常夜灯
夜釣りでは、灯りにプランクトンが集まり、それを捕食する小魚も集まります。さらに小魚を捕食する中~大型魚も狙えます。常夜灯のない場所ではポータブル電源で疑似的な常夜灯を作り出すことも可能ですし、もっと積極的に光で魚を集めるのであれば「集魚灯」がおすすめです。
魚の好む青や緑の光を放ちながらウキのように海面を漂って集魚効果を発揮しますが、うっかり充電を忘れた場合や、途中でバッテリー切れを起こした場合などにポータブル電源があれば簡単に充電が可能です。
(2)ポータブル電気冷蔵庫を使用できる
釣りにはクーラーボックスが欠かせないアイテムですが、暑い時期や長時間の釣行ではアイスパックや氷が溶けてしまうのが難点です。
電気で冷やすことができるポータブル冷蔵庫があれば、釣った魚の保管はもちろん、冷たい飲料の確保、お弁当など食料の保存などが容易にできます。
(3)家電製品を使うことができる
夜釣りは寒くない季節であっても、身体が冷えるものです。ポータブル電源は身体を暖めるという点で役立つケースが多いのでおすすめです。
車内にポータブル電源と電子レンジ、電気ケトルなどを積んでおけば、休憩時にはお弁当を温めたり、コーヒーを淹れることが可能ですし、身体が冷えた時にはカップ麺や味噌汁などで身体の中から温まることが可能です。
また、エンジン停止時や車外ではヒーターは使えないので、電気ブランケットなどを用意しておくとよいでしょう。
【おすすめポータブル電源】BLUETTI AC70
BLUETTI AC70は、コンパクトなボディに高性能を詰め込んだポータブル電源です。定格1,000Wの出力に加え、電力シフトによって消費電力最大2,000Wまでの家電を動かすことができるため、電子レンジや電気ケトルなどの大消費電力家電を使うことができます。
また768Whの充分な容量を持っているので、消費電力50~70Wほどの電気ブランケットを10時間以上連続使用することも可能です。
初心者向け防波堤ルアーフィッシング まとめ
魚がかかった時の感覚は釣りをする人にしかわからないワクワク感がありますが、虫エサを針に付けるのが嫌で釣りを避けている方も少なくありません。
釣りに興味があるけれど、虫を触るのが嫌…と言う方は、ぜひルアーフィッシングを試してみてください。
竿にリールをセットして、糸(ライン)の先にルアーを付ければすぐに釣りを始められ、苦手な虫を触る必要はありません。
足場が良く安全性が高いのに釣果が期待できる防波堤は、初心者がルアーフィッシングデビューするのに最適な場所です。
ぜひ、チャレンジしてみてください。