登山は眼下に広がる大パノラマや思わず息をのむような風景を自分の足でつかみ取れる、特別なアクティビティです。山がもたらす日常では得られない開放感と達成感は、あなたの人生でも最高の習慣の一つとなるでしょう。
一方で、自然相手だからこそ思わぬトラブルや体力面での不安要素も存在するのも事実。装備や事前準備をしっかり行い注意点を押さえることが大切です。
本記事では、登山未経験の方が安全かつ楽しく山を始めるためのポイントを分かりやすく解説!あなたも登山への一歩を踏み出しましょう!
初心者必見!登山を始めるための基本ステップ
「山に登ってみたいけど、何からスタートすればいいの?」と悩んでいませんか? 以下のステップを順番に実践すれば、初心者でも登山を始めやすくなります。
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行きたい山を決める
標高や難易度、アクセス方法を確認し、自分の体力に見合った山を選びましょう。
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ルートの下調べ
ガイドブックや登山専門サイトなどで、コースタイム・累積標高差・危険箇所を把握しておきます。
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装備をそろえる
日帰り登山であっても最低限の装備(登山靴、ザック、雨具など)は必須。
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天候をチェック
山の天気は変わりやすいので、直前の天気予報だけでなく、登山届の提出(提出できるエリアの場合)や現地情報も合わせて確認しましょう。
初めての登山に備える:体力づくりと装備選び
体力づくり
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ウォーキングや軽いジョギング
普段から歩く習慣をつけ、心肺機能と脚力を少しずつ鍛えましょう。 -
階段の上り下り
下半身を集中的に強化でき、登山の負荷に近い動きを取り入れられます。
装備選び
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登山靴
足首をしっかりサポートでき、滑りにくいソールのものがおすすめ。 -
レインウェア
悪天候に備え、防水性・透湿性を兼ね備えたウェアが必須。 -
ザック(バックパック)
日帰りなら30L前後、身体に合ったサイズで背負いやすいものを選びましょう。
初心者向け登山装備:予算別おすすめアイテム
登山初心者の方が装備をそろえる際、予算をどう考えるかは重要なポイントです。ここでは、低予算・中予算・高予算の3つの予算帯に分けて、具体的なアイテム例をそれぞれ3つずつご紹介します。
1. 低価格帯(費用を抑えたい方向け)
(1) 登山靴:Quechua(ケシュア) “NH150”
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特徴:Decathlon(デカトロン)のオリジナルブランドであるQuechuaは、リーズナブルな価格設定なのにしっかりした作りで人気。
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ポイント:初心者が最初の1足として揃えやすい価格帯。短時間の日帰りハイキングならこれ一足でOK!
(2) リュック(38L):ワークマン “ジョイントバックパック アーバンエディション”
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特徴:ワークマン独自のコスパに優れた商品。38Lの容量があり、軽登山に適したサイズ。
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ポイント:価格は抑えつつも、雨蓋やポケットなど基本的な機能を備えている。
(3) レインウェア(簡易タイプ):ワークマン “透湿レインスーツSTRETCH”
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特徴:手ごろな値段ながら、簡易的な防水・透湿機能を兼ね備えている。急な雨から身を守るには十分。
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ポイント:雨が予想される場合のために、ザックに常備しておきたいアイテム。
2. 中価格帯(機能性とコスパのバランス重視)
(1) 高機能レインウェア:モンベル “レインダンサー”
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特徴:モンベル独自の防水透湿素材「ドライテック」を採用。日本の気候に合わせた設計で、蒸し暑い日でも快適。
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ポイント:高い防水性に加え、適度な価格設定でコスパに優れているため、多くの登山者が愛用している定番モデル。
(2) 登山靴(クッション性・安定感):キャラバン “C1-02S”
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特徴:日本人の足型に合うよう設計されたモデルで、適度なホールド感とクッション性が魅力。
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ポイント:中級程度の山行にも十分対応でき、長時間歩行でも足への負担を軽減してくれる。
(3) 背負いやすいザック(20〜30L):オスプレー “ケストレル(Kestrel)シリーズ”
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特徴:背中の通気性と荷重分散性に定評があり、長時間背負っても疲れにくい。
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ポイント:小物類を収納しやすいポケットや、ハイドレーション対応など、実用的な機能が充実。
3. 高価格帯(本格的に取り組みたい方向け)
(1) ウインドシェル・ソフトシェルジャケット:アークテリクス “Beta LT Jacket”
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特徴:極めて軽量な上に、優れた防水・防風性能を実現するGORE-TEX素材を採用。過酷な環境下でも快適性を確保できる。
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ポイント:値は張るが、品質・耐久性はトップクラス。本格的な山行や長期トレッキングで活躍すること間違いなし!
(2) 上級向け登山靴:スカルパ “スカルパ リベレライトHD”
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特徴:岩場や長期縦走に対応する高い剛性とフィット感を兼ね備えながらも、比較的軽量に仕上げている。
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ポイント:足へのホールド感が非常に良く、靴擦れなどのトラブルを起こしにくい設計。
(3) 大型ザック or ポールなど追加装備:グレゴリー “バルトロ(Baltoro)シリーズ”
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特徴:背面システムに独自技術を採用し、抜群のフィット感と荷重分散を実現。30L以上の容量でテント泊にも対応。
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ポイント:登山用ポールなどの追加装備も含めると、長期や高難度コースでより安定した登山を楽しめる。
登山初心者向けスタートパック
アイテム |
必要性 |
具体例 |
費用目安 |
登山靴 |
滑り防止、足首保護 |
Quechua NH150 / キャラバン C1-02S |
¥7,000~¥15,000 |
バックパック |
荷物分散性、快適性湧き |
ワークマン (低予算) / オスプレー (中予算~) |
¥4,000~¥20,000 |
レインウェア |
防寒・防水 |
ワークマン STRETCH / モンベル レインダンサー |
¥3,000~¥12,000 |
モバイルバッテリー |
緊急充電・通信確保 |
Bluetti X20 等 |
¥3,000~¥12,000 |
初めてでも登れる!初心者向けトレイルとチェックポイント
コース選びのポイント4選
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標高差が少ない
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アップダウンの負荷が少なく、体力に自信がない方でも挑戦しやすい。
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整備された道
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道標やトイレ、休憩所などインフラが整っている場所だと迷子になるリスクも大きく下げられます。
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アクセスが良い
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電車やバスなど公共交通機関で行きやすい山なら、下山後もスムーズに帰宅しやすい。
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人気のある山
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人通りが多く、万が一トラブルが起きても助けを求めやすい安心感がある。
初心者におすすめ!難易度が優しめのトレイルコース4選
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高尾山(東京)
写真:八王子画像オープンデータ集
標高が低く、ルートが複数整備されており、自分の体力に合わせたコースを選べます。ケーブルカーやリフトの利用も可能で、体力面が不安な方でも安心。
駅からのアクセスが良く、下山後には温泉やグルメスポットも充実しているため、半日~1日で気軽に楽しめます。
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六甲山(兵庫県)
写真:神戸公式観光写真ライブラリー
神戸市街からすぐアクセスでき、都会の喧騒を離れて自然を満喫できます。整備されたルートも多く、初心者でも迷いにくいコースが選べるのが魅力です。
途中の展望台や異人館街巡りなど観光要素も豊富。半日ハイキングでリフレッシュしたい方に最適です。
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仙丈ヶ岳(長野県)
標高3,000m級ながら、北沢峠(バスなどでアクセス)を起点にすると比較的登りやすく「高山ハイキングの入門」にぴったりと言われています。
稜線に出ると絶景が広がり、高山植物も楽しめます。天候変化や高山病には注意しつつ、ゆとりのある計画を立てて挑戦しましょう。
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吉野山(奈良県)
写真:吉野町公式ホームページ
世界遺産にも登録されている桜の名所。ロープウェイや歩きやすい遊歩道が整備されており、山頂付近では寺社や茶屋が点在するため、初心者でも無理なく歩けるのが魅力です。
近鉄吉野駅からロープウェイ乗り場へ徒歩圏内で、公共交通機関でのアクセスも良好。シーズンによっては人が多いため、平日や早朝出発がおすすめです。
家族連れ・高齢者・特別な支援が必要な方への追加チェックポイント
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家族連れの方へ
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子どもの歩幅と体力を考慮し、無理のない行程にする。
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おむつやおやつ、水分などを余分に用意しておき、休憩をこまめにとる。
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子どもが山で楽しめるよう、植物や生き物を探す“自然観察”を取り入れると飽きにくい。
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高齢者の方へ
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できるだけ標高差が少なく、アップダウンが緩やかなコースを選ぶ。
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杖(トレッキングポール)などバランスを取りやすい道具を携行し、転倒リスクを軽減。
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血圧や心臓への負担が大きくならないよう、ゆっくり歩いて小まめに休憩を入れる。
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特別な支援が必要な方へ
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車椅子でも行ける遊歩道やバリアフリーの施設が整備されているかを事前に確認。
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装具や医療機器を使用する場合は、バッテリーや付属品を多めに準備しておく。
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スタッフが常駐するビジターセンターの近くや、短距離で避難しやすいルートを選び、万が一のときにサポートが受けられるようにしておく。
抑えておきたい山でのマナー4選
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ゴミは必ず持ち帰る
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自然環境を守ることは山を楽しむ人の基本ルールです。
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すれ違う人には挨拶を
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トレイル上での挨拶は、コミュニケーションや安全確認にもつながります。
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静かな環境を維持
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大声で騒いだり音楽をかけたりすると、他の登山者や野生生物に迷惑がかかる場合もあるので注意。
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山頂や休憩スペースの譲り合い
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混雑する場合は他の登山者が交代で休めるよう、譲り合いの精神を大切にしましょう。
安全第一!通信デバイスとモバイルバッテリーの必要性
山ではスマホの電波が弱いことが多く、バッテリー消費が早まる傾向にあります。GPSアプリや連絡手段としてスマホを使うなら、大容量のモバイルバッテリーを持ち歩くのがベターです。ここではおすすめの2製品を紹介します。
Bluetti Elite 200 v2
製品メリット
Bluetti Elite 200 v2は大容量ながら持ち運びやすい設計が特徴のポータブル電源です。スマートフォンやタブレットに限らず、小型クッカーやライトなど複数のデバイスに同時給電が可能。耐久性にも優れているので、山道で多少の衝撃があっても安心です。また、高速充電に対応している点も見逃せません。
初心者から中級者、さらには本格的なテント泊を楽しむ上級者まで幅広く活用できるため、山行だけでなく災害時の備えとしても重宝します。
予備電源として一台あると、心強い存在になるでしょう。
ポータブルパワーバンク(X20)
製品メリット
BLUETTI X20はミニマリストのハイカー向けに設計された軽量パワーバンクで、登山初心者にもおすすめ。コンパクトながらスマホやカメラを複数回フル充電できる容量を備え、急速充電にも対応しています。
薄型デザインでザックに入れても荷物がかさばりにくく、必要なときにサッと取り出せるのが魅力。防災用品として常備しておくのもよいでしょう。山中での予期せぬバッテリー切れを避けるために、X20があればいつでも安心して通信デバイスを使い続けることができます。
ここに注意!初心者がハマりがちなトラブルと対策
初めての登山では、経験不足から思わぬトラブルに直面することがあります。以下に、初心者がよく犯しがちな間違いや抱えがちな不安、そして対策をまとめました。必ずチェックして、トラブルを回避しましょう!
1. 計画不足で出発してしまう
山の地形や天候を把握しないまま出かけると、予想外のコースタイム超過や遭難が起こりやすく危険です。
対策:ガイドブックやウェブサイト、地図アプリを活用し、歩行時間や休憩時間を含む余裕のある計画を立てましょう。必要に応じて登山届の提出も忘れずに。
2. 装備が足りない・合っていない
防水性の低い靴や服で雨に濡れて体温が下がり、体調を崩す可能性があります。
対策:最低限の装備をリスト化し、事前にチェック。試着や試し履きも行い、体に合ったものを選ぶように心掛けましょう。
3. 出発が遅く、日没までに下山できない
思ったより時間がかかり、暗くなってルートを見失う可能性が高まります。
対策:できるだけ早めのスタートを心がける。コースタイムに余裕を持ち、日没1~2時間前には下山完了を目指しましょう。
4. 体力を過信してしまう
普段運動不足のまま中級~上級コースに挑戦すると、筋力やスタミナが足りず危険。
対策:日頃のウォーキングや軽いランニングで基礎体力を養い、難易度の低いコースから段階的にレベルアップを目指しましょう。
6. 「下山後」を想定していない
下山後にバスや電車がなく、帰宅困難に陥るケースも。
対策:交通機関の最終時刻や乗り換え情報、温泉・飲食店の営業情報など、下山後の計画までシミュレーションしておくと良いでしょう。
まとめ:自分に合った山選びで安全&楽しくスタート!
登山初心者にとって、山を始める際にはさまざまな疑問や不安がつきものです。しかし、事前の計画や装備をしっかり整え、徐々に経験を積んでいけば、その魅力は格段に広がります。絶景や自然の豊かさに癒やされるだけでなく、自分の体力や気力、仲間との連帯感など、多くの発見があるはず!
まずは低山や整備されたトレイルから始めて、ゆっくりとステップアップしてみましょう。
初心者だからといって臆病になりすぎる必要はありません。きちんと準備をすれば、山での体験はあなたの人生を豊かに彩るものとなるでしょう。失敗しても大丈夫です。どんな登山者も最初は初心者でした。一歩ずつ経験を増やしていきましょう!
よくある質問(FAQ):登山初心者が知っておきたいポイント
Q1. 登山初心者が最初に買うべきものは何ですか?
A. 最優先は登山靴です。足首を保護し、滑り止めのソールを持つモデルを選ぶと安心。次いで、ザックとレインウェアなどの必須装備をそろえましょう。
Q2. 初心者が登山をするには何時間くらいかかりますか?
A. 1~3時間程度で往復できる比較的短いコースがおすすめです。休憩や体力面を考慮し、余裕のある計画を立てるのが大切。
Q3. 日本で1番きつい登山は?
A. 北アルプスの剱岳や槍ヶ岳は「上級者向けの険しい山」として有名です。経験豊富な人やガイド同伴での登山が推奨されるレベルです。
Q4. ハイキングと登山の違いは何ですか?
A. ハイキングは、整備された道を日帰りで歩くなど、難易度が低いケースが多いです。
登山は標高の高い山や急勾配の道を含むことが多く、装備や計画もより本格的になります。