寒い冬の夜、暖かく過ごすために欠かせないのが電気カーペットです。足元から体全体を暖めてくれる優れものですが、電気代が気になるところ。そこで、この記事では電気カーペットと他の暖房器具の電気代を比較し、最も経済的で効率的な暖房方法をご紹介します。エアコンやこたつなど、代替となる暖房器具との電気代の違いを知ることで、賢く節約しながら暖かく過ごすことができます。
暖房器具ごとの消費電力は?
電気カーペット(ホットカーペット)・エアコン・こたつは、それぞれ暖房方法が異なるため、消費電力にも差があります。エアコンは部屋全体の空気を温めるのに対し、電気カーペットとこたつは局所的に体を直接温める暖房器具です。ただし、電気カーペットとこたつでは部屋全体を温めることはできません。
それでは、これらの暖房器具の消費電力を一つ一つ見ていきましょう。消費電力を理解することで、電気代を節約しながら効果的に暖房器具を使い分けることができます。
電気カーペットの電気代
電気カーペットの消費電力は、温める面積によって異なります。1畳相当の製品の定格消費電力は210W、3畳相当の製品では720Wと、面積が大きいほど消費電力が高くなる傾向があります。ただし、電気カーペットはサーモスタットなどで温度制御をしながら動作するため、実際の消費電力は定格消費電力よりも低くなるのが一般的です。
1時間あたりの電気カーペットの消費電力量は、畳数によって以下のように変化します。
畳数 |
1時間当たりの消費電力量 |
1畳 |
約55Wh |
1.5畳 |
約80Wh |
2畳 |
約110Wh |
3畳 |
約160Wh |
3畳相当のホットカーペットを1時間使用した場合の電気代は約21円です。1日8時間使用した場合の1ヶ月の電気代の目安は約5,000円。しかし、じゅうたんタイプとフローリングタイプで多少異なります。じゅうたんタイプはモデルによる消費電力の差が小さいのに対し、フローリングタイプはモデルによって消費電力に大きな差があります。
ホットカーペットはほかの暖房器具と比べると電気代がやや高めですが、一日中つけっぱなしにするわけではないので、実際は電気代を抑えることが可能です。
エアコンの電気代
次に、10畳用エアコンの消費電力について見てみましょう。暖房時の消費電力は150W~1,500W程度の間で変化します。エアコンは室温に応じて出力を自動調整しながら運転するため、動作開始時は消費電力が高くても、室温が安定すれば省エネ運転に切り替わり、消費電力が大幅に下がります。
10畳用エアコンの暖房を1時間使用した場合の電気代は、消費電力に応じて変化します。1時間あたりの電気代の計算式は、消費電力(kW)×1kWhあたりの電気料金(円)です。最小消費電力150Wの場合、1時間あたりの電気代は約4.1円、最大消費電力1,500Wの場合は約40.5円となります。室温が安定すると消費電力量が少なくなるので、約20円程度と考えられます。
1日8時間、30日間使用した場合の電気代は、最小消費電力の場合で約984円、最大消費電力の場合で約9,720円が目安となります。ただし、エアコンは常に一定のパワーで動くわけではないため、実際の電気代は上記の計算よりも安くなる傾向にあります。
こたつの消費電力
最後に、こたつの消費電力は一般的に600W程度です。電気カーペットと同様に、サーモスタットで温度制御をしながら動作するため、実際の消費電力は定格消費電力よりも低くなります。
こたつを1時間使用した場合の電気代は、600Wのこたつで約16.2円です。1日8時間、30日間使用した場合の電気代は約3,888円が目安となります。
こたつは電気カーペットと比べると消費電力が高めですが、足元を集中的に暖められるため、部屋全体を暖める必要がなく、電気代を抑えられる利点があります。こたつの電気代に関しては「こたつの電気代は安い?エアコンやセラミックヒーターより経済的」で詳しく解説しています。
電気カーペットとエアコンやこたつとの比較
電気カーペット、エアコン、こたつの消費電力と電気代を比較すると、以下のようになります。環境により条件に差異が生まれるので、最大消費電力量を目安として提示します。
暖房器具 |
消費電力 |
1時間あたりの電気代 |
1ヶ月の電気代目安 (1日8時間使用) |
電気カーペット(3畳) |
160W |
約21円 |
約5,040円 |
エアコン(10畳) |
150W~1,500W |
約40.5円 |
約984円~9,720円 |
こたつ(600W) |
600W |
約16.2円 |
約3,888円 |
家電ごとの電気料金や節約方法に関しては「消費電力の計算から始める家庭の節電 電気代を賢く抑えるコツ」を参考にしてください。
電気カーペットは経済的
部屋の温かさなどを考慮せずに単純に節電を優先するなら、必要最小限のサイズの電気カーペットを使用するのが最も電気代を抑えられます。さらに、電気カーペットの下に断熱シートを敷いて温度設定を中や弱にすれば、より節電効果が期待できるでしょう。
一方、部屋のどこにいても温かさを感じられるのはエアコンです。窓を断熱するなどして室温が下がりにくいように工夫し、設定温度を低めにすることで節電につながります。
適切なサイズの電気カーペットを選ぶ
電気カーペットは中身が電熱線であるため、消費電力(W数)が同じであれば、電気代はメーカーに関係なく同じです。したがって、適切なサイズを選んだ上で、好みのメーカーの製品を購入するのがよいでしょう。
設定温度を下げる、使用時間を減らす
電気カーペットは、設定温度を少し下げるだけで消費電力を減らすことができます。しかし、温度を下げすぎてしまうと、十分な暖かさを得られなくなってしまいます。そのため、快適性と節電のバランスを考えることが重要です。また、暖める面積を変えられる製品もあります。そのような製品の場合、使用していない部分の電源を切ることで、消費電力を抑えることができます。
こたつやエアコンとの併用で効率的に
電気カーペット単独ではなく、こたつやエアコンと併用することで、消費電力を下げつつも、暖かさを得ることができます。複数の暖房器具を組み合わせることで、効率的に節電できます。具体的な併用方法としては、以下のようなものが挙げられます。
電気カーペットとこたつの併用
電気カーペットの上にこたつを置き、こたつ布団をかぶせる方法です。この方法では、電気カーペットの設定温度を低めにし、こたつの温度設定も低めにすることで、両方の消費電力を抑えられます。足元はこたつで、床面は電気カーペットで暖められるため、効率的に全身を暖めることができます。
電気カーペットとエアコンの併用
電気カーペットで足元を暖めつつ、エアコンで部屋全体の温度を調整する方法です。エアコンの設定温度を低めにしても、電気カーペットのおかげで足元は暖かいので、快適に過ごせます。この方法なら、エアコンの消費電力を抑えられるため、電気代の節約につながります。
こたつとエアコンの併用
こたつで足元を暖めつつ、エアコンで部屋全体の温度を調整する方法です。エアコンの温度設定を低めにし、こたつで足元を集中的に暖めることで、両方の消費電力を抑えられます。こたつとエアコンの組み合わせは、多くの家庭で取り入れられている節電方法の一つです。
ポータブル電源を活用して電気代をさらに節約する方法
太陽光発電などで電気を生み出し、コンセントからの電力使用量を減らすことも電気代節約の一つの方法です。ポータブル電源を使えば、太陽光発電で生み出した電気を蓄電し、必要な時に使うことができます。例えば、「BLUETTI AC180」は大容量かつコンパクトなポータブル電源で、ソーラーパネルと組み合わせることで電気カーペットの電気代を大幅に節約できます。また、停電時のバックアップ電源としても機能するため、冬場の災害対策にも役立ちます。