中部電力の2024年4月からの電気料金改定について解説します。基本料金は上がりますが、電力量料金が下がるため、家計への影響はさまざまです。値上げなのか、値下げなのか?電気料金の変動から省エネ対策まで紹介しています。
2024年4月からの料金変更について
中部電力ミライズ株式会社は2024年4月から、発電側課金制度の導入とレベニューキャップ制度の期中調整を通じて低圧電気料金の見直しを行うと発表しました。この変更は、再生可能エネルギーの導入拡大や電力系統の維持拡充を目的としています。
参考記事:発電側課金制度の導入およびレベニューキャップ制度における期中調整に伴う低圧電気料金の見直し
料金改定の具体的な影響は、契約アンペア数に応じた基本料金の増加と、電力量料金の若干の減少を含みます。例えば、10Aの基本料金は24.14円増加し、最初の120kWhまでの電力量料金は0.13円/kWh減少します。これらの変更は、家庭の電気料金にどのように影響するか、具体例を通して把握しましょう。
基本料金と電力量料金の変更点は?
ポイントプランを例に基本料金と電力量料金の変更を確認します。「基本契約要綱に基づく電気料金メニューの単価表」をもとに変更点を明確にし、それらがどのような影響を及ぼすかを解説します。
基本料金の変更
基本料金は、契約アンペア数に応じて変動します。この変更は、利用者の契約アンペア数に基づいた基本料金の値上げです。以下の表は、契約アンペア数ごとの基本料金の増加を示しています。
契約アンペア数 |
現行基本料金(円) |
増加後基本料金(円) |
増加額(円) |
10A |
321.14 |
345.28 |
24.14 |
15A |
445.50 |
481.71 |
36.21 |
20A |
594.00 |
642.28 |
48.28 |
30A |
891.00 |
963.42 |
72.42 |
この表からわかるように、契約アンペア数が大きくなるほど、基本料金の増加額も大きくなります。
電力量料金の変更
電力量料金に関しては、1kWhあたりの料金が若干減少しています。電力の使用量に応じた料金が少し安くなります。以下の表は、使用量区分ごとの電力量料金の変更を示しています。
使用量区分 |
変更前の料金(円/kWh) |
変更後の料金(円/kWh) |
変更額(円) |
最初の120kWhまで |
21.33 |
21.20 |
-0.13 |
120kWh超300kWhまで |
25.80 |
25.67 |
-0.13 |
300kWh超 |
28.75 |
28.62 |
-0.13 |
この表から、電力量料金が全体的にわずかに減少していることがわかります。
結局値上げ?値下げ?
三人家庭が一ヶ月に使用する電力消費量を530kWhと想定して、電気料金の変更による出費額を計算してみましょう。電力消費量530kWhと想定している根拠については、「電気料金の計算やバッテリー容量の基本 kWhとは?」をご覧ください。このシナリオでは、基本料金と電力量料金の変更がどのように組み合わさるかを見ていきます。
基本料金の増加
まず、基本料金に注目します。30A契約の場合、基本料金は891.00円から963.42円へと72.42円増加します。7%程度の値上げとなります。
電力量料金の減少
次に、電力量料金の変更を詳しく見てみましょう。三人家庭の消費量530kWhに基づいて、以下のように計算されます。
- 最初の120kWhについては、料金が21.33円から21.20円へと減少し、合計で15.6円の減少
- 120kWhを超え300kWhまでの部分では、料金が25.80円から25.67円へと減少し、合計で14.04円の減少
- 300kWhを超える230kWhの部分では、料金が28.75円から28.62円へと減少し、合計で29.90円の減少
電力量料金は、消費量に関わらず支出額が減少することがわかりました。
実質的に値上げの家庭が多い
三人家庭が530kWh使用した場合、基本料金の増加は72.42円で、電力量料金の減少は59.54円です。結果として、電気料金は約12.88円増加します。
電力量料金の僅かな減少にも関わらず、基本料金の上昇がそれを上回るため、全体の料金は少し高くなります。さらに、ここに燃料調整単価が合算されるため、実質の値上げと言えるでしょう。
値上げ傾向による影響と節電対策
2024年4月の料金改定により、若干の値上げとなりました。短期的には、大幅な電気料金の増加は予想されていません。エネルギー価格の高騰や円安が基本料金の上昇に影響を与えることで、長期的には家計への負担が増える可能性があります。
電気料金高騰の主な要因は以下の3つです。
- エネルギー高騰の影響
- 輸入依存度とその影響
- 円安と燃料価格
このような要因により、電気料金が安くなっていく可能性は非常に低いと考えられています。そうであれば、少しずつ節電を進めて電気料金値上げに負けない家計を目指すのが得策でしょう。
効果的な節電対策の紹介
電気料金の節約には、エアコンや冷蔵庫などの大型家電の使用を最小限に抑えることが重要です。特に、エアコン、冷蔵庫、照明は家庭の電力消費に大きく影響します。ここでは、具体的な節電対策を紹介します。
さらに詳しい電気料金の節約方法を解説していますので、「消費電力の計算から始める家庭の節電 電気代を賢く抑えるコツ」をご覧ください。
照明のLED化
LED照明への切り替えは、家庭の電気料金を節約する上で非常に効果的な方法です。LEDが従来の照明器具と比較してエネルギー消費量が格段に少ないため。
具体的には、LEDの消費電力は白熱電球の約20%、蛍光灯の約30%、水銀灯の25%に過ぎません。LEDは、必要な光をより少ないエネルギーで届けられます。初期投資は必要ですが、その後の手間が全くないので、節約の第一歩にちょうど良いでしょう。
省エネ家電への切り替え
省エネ家電への買い替えは、家計にとって長期的な節約策となります。特に、エアコンや冷蔵庫のような大型家電は、家庭の電力消費に大きく影響します。新しいモデルへの更新は、電力消費効率の向上という形で、大きな節約効果をもたらします。
例えば、2007年製の冷蔵庫が年間570〜640kWhの電力を消費するのに対し、2020年製の冷蔵庫は約294kWhと、ほぼ半分の電力で済むようになっています。一回の投資で、長い期間節約効果が継続します。もしも家電が古くなっていましたら、買い替えを考えてみるのも良いでしょう。
電力使用のピークシフト
画像参照:中部電力ミライズ
ピークシフトの実践は、電気料金を節約する上で非常に有効な手段です。この方法は、電力が高くつくピークタイムを避け、料金が比較的安価な時間帯に電力を使用することにより、電気料金の総額を抑えることができます。
例えば、洗濯機や食洗機といった大型家電を夜間に使用することは、電気料金の節約に直結します。特に、時間帯別料金プランを提供する「スマートライフプラン」のようなサービスを利用する場合、夜の22時から翌朝8時までといったナイトタイムに電気を使用することで、さらに料金を抑えることが可能になります。
ポータブル電源を組み合わせて使う
家庭での電力消費を効率化する一つの方法は、ポータブル電源の活用です。使い方によっては、電力会社から購入する電力量を減らし、電気料金の節約につながります。
特に、中部電力の「スマートライフプラン」などの夜間料金がお得なプランを利用する場合、夜間にポータブル電源を充電して、日中の料金が高い時間帯にその電力を使用することで、さらにコストを削減できます。
また、ポータブル電源の魅力は、太陽光を利用した発電にもあります。例えば、200Wのソーラーパネルを使用して1日6時間発電することで、約1000Whの電力を生成できます。この量は、テレビを10時間視聴したり、PCを約8時間使用するのに十分な電力です。
節電に役立つポータブル電源・ソーラーパネルセット
どのようなご家庭でも導入しやすい太陽光発電システム「BLUETTI AC200L +ソーラーパネルセット」についてご紹介します。
AC2000Lは、家庭での電気代節約から災害時の電力備蓄まで幅広い用途で使えるポータブル電源です。
2,048Whとバッテリー容量が大きく、複数の家電を同時接続で動かせる出力を持ちます。夜間の電気代の安い間に電力を貯めておきます。そして、日中に洗濯機や掃除機、炊飯器のような電力消費量の多い家電を使うことで電気料金の削減ができます。
さらに詳しい情報や、ソーラーパネルとのお得なパッケージは「BLUETTI AC200L製品ページ」でご覧いただけます。
まとめ
中部電力の料金改定は、一般家庭にとってはわずかながら電気料金の値上げをもたらす可能性があります。電気料金の値上げ傾向は、今後も続くことでしょう。
少しずつ、節電効果の高い部分から準備をしていき、値上げに負けない家計を作りたいですね。今回ご紹介したBLUETTIのポータブル電源を生活に取り入れることで、電気料金の節約に繋げることができます。ぜひ、「ポータブルバッテリー購入時にチェックすべきの7つのポイントを解説」などを参考にして、ご家庭にぴったりの製品を選んでください。