地震や台風、大規模水害などの災害が想定されるとき、行政が設置する「避難所」へ身を寄せるのは一つの手段ですよね。とはいえ、いざ荷造りを始めると、「あれも要るかもしれない」「これがないと困るかも」と、どうしても荷物をいっぱい詰め込んでしまいがちでしょう。でもその結果、実は持っていかないほうがいいものまで抱え込んで、かえって避難生活が大変になってしまうケースも少なくありません。
そこで今回の記事では、「避難所に持ち込むべきではない物品」と、その具体的な理由を丁寧に解説します。大きな災害が起きて避難生活を送る際には、「本当に必要なもの」と「持って行かなくても平気なもの」を上手に見極めるのが大切です。また、持ち込まないほうがいい物をどうやって代用すればいいのか、注目の非常用電源(ポータブル電源)の利用法、そして「避難所へ行くべきか、それとも自宅待機がベターなのか」を判断するポイントについても取り上げていきます。
普段よく耳にする防災グッズであっても、実際の現場では使いづらかったり、避難所の秩序を乱してしまったりする可能性があります。ぜひ本記事を参考に、避難生活に本当に必要な荷物を厳選し、効率よく安全を確保できるようにしてください。
持ち込むべきでない物品の種類
1. 危険物(可燃性、爆発性)
避難所は言うまでもなく、災害時に多くの人が一緒に過ごす場所ですよね。火事や爆発といった二次被害が発生すれば、そこで生活するたくさんの方が危険にさらされてしまいます。特にガソリンや灯油、ガスボンベのような可燃性・爆発性をもつ物品は取り扱いが難しく、ほんの小さなミスが大惨事を招くかもしれません。もし火がついたり、気体が漏れたりすれば、避難所全体に甚大な被害が及ぶリスクがあるのです。
2. 大型で持ち運びが困難な物品
いざ避難するとなると、「これも要るかも」「あれもないと困るかも」といろいろ考えてしまうのは仕方ありませんよね。でも、大型の家電や家具などは避難所に持って行ってもスペース的に厄介なだけという場合が多いんです。ほとんどの避難所は、一人あたりのスペースがたった1畳程度しか確保できないこともしょっちゅう。そこに大きな荷物を持ち込むと、周りの人の通路を塞ぐ形になったり、居住空間を圧迫してしまったりと、トラブルの原因になります。そんなときは割り切って「今は持って行かない」のが賢明です。後で必要性がはっきりしたら改めて取りに行くか、行政や支援団体の力を借りるなど、別の方法を考えるのがいいでしょう。
3. 衛生管理が難しい物品
避難所では、水やトイレの使用が制限されることが多く、加えてごみの回収や処理がスムーズにいかないことも珍しくありません。そのため、生ものの食品や、調理にこまめな洗浄が必要な道具類、頻繁に手入れが要る寝具(まくらや布団など)を持ち込むのはリスクが大きいです。カビや虫が発生したり、ひどい悪臭のもとになったりすると、周りの避難者との間でトラブルが起こることもあり得ます。衛生的な問題は健康にも直結するので、できるだけ管理しやすい物品だけに絞ることが大切ですね。
各物品の具体的な理由の解説
先ほど挙げた“持ち込むべきでない物品”の種類ごとに、もう少し具体例を見ていきましょう。
1. 危険物の例:ガソリンやスプレー缶、簡易ストーブなど
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ガソリンや灯油
「車が停電中も使えるように」と、燃料を携行缶に入れて持ち込みたい人がいるかもしれませんが、火災リスクが非常に高まります。また、避難所のルールによっては明確に持ち込み禁止と定めている場合も少なくありません。
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スプレー缶
ヘアスプレーや殺虫剤なども、小さいながら爆発の危険性をはらんでいます。大量に持ち込むのは避け、どうしても必要なら管理ルールをよく確認しましょう。
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簡易ストーブ(石油、カセットガス式)
冬場の避難を想定してストーブを考える方もいるかもしれませんが、暖房器具として避難所で使用が許可されないことが多いです。換気も不十分になりがちで、一酸化炭素中毒など別の事故を招く恐れもあります。
2. 大型家電や家具:マットレス、エアコン、業務用クーラーボックスなど
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大型家電(テレビ、大型冷蔵庫)
自宅では便利な家電も、避難所では電力の確保が難しく、そもそも設置スペースがありません。大型冷蔵庫やテレビを持ち込もうとしても、まず置き場がないため実用性がほぼゼロに近いです。
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キャンピングマットを超える大きさのマットレス
避難所は多人数で共同生活を営む場所ですので、大きいマットレスは単純に場所を取り、他の避難者の居住スペースを圧迫します。コンパクトにたためる寝袋や薄手のマットのほうが、よほど適しています。
3. 衛生管理が難しいもの:生鮮食品、大量の使い捨て皿など
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生鮮食品
冷蔵・冷凍設備のない避難所に生ものを持ち込むと、あっという間に腐敗し悪臭や食中毒のリスクを伴います。周囲から苦情が出る可能性も高いので避けましょう。
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大量の使い捨て皿
一見便利そうですが、大量のごみが発生してしまい、行き場のないごみを抱えることに。洗浄が不要な食器は手軽ですが、避難所の衛生環境を悪化させる原因にもなりかねません。
なお、避難所は地域や施設ごとに細かいルールやガイドラインが異なる場合があります。たとえば石油ストーブやカセットボンベ式コンロなどの使用を一律に禁止している避難所もあれば、「管理者の許可があればOK」とする場所も存在します。避難所によっては、家電製品の使用や大型荷物の持ち込みに厳しい制限があることも珍しくありません。必ず事前に自治体や避難所の担当部署に確認するか、受付でルールを確認し、不明点があればスタッフに相談するようにしましょう。
代替案と提案
「持ち込むべきでない物品」はいろいろある一方で、災害時の生活を乗り切るには、ある程度の装備がどうしても必要になってきます。ここでは代わりに役立つグッズや、効率よく備えられる必需品をいくつかご紹介します。
1. 軽量かつ実用的な防災グッズ
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LEDランタンやヘッドライト
災害時には明かりを確保することが最優先になりますが、ろうそくやオイルランプは火災のリスクが高いです。その点、充電式や電池式のLEDライトなら火を使わないので安心ですね。
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使い回せる食器
使い捨ての食器を大量に持ち込むと、避難所でごみが増えてしまって衛生的にも問題が出てきます。洗って何度も使える折りたたみ式のシリコン食器などは、荷物をコンパクトに抑えつつ、衛生面でもトラブルを防ぐ手段としておすすめです。
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たためる水タンク・携帯トイレ
避難所では水やトイレの使用が制限されることもあり、どうしても不衛生になりがちです。持ち運びに便利な折りたたみ式の水タンクや簡易トイレを準備しておけば、衛生状態の悪化をある程度食い止められます。
2. ポータブル電源の活用
避難所の電源が十分かどうかは、実際に行ってみないと分からないもの。そもそも充電スポットの数が少なくて、みんなが集中するとすぐにオーバーフロー状態…なんてことも考えられます。そんなとき、個人用のポータブル電源があれば、通信手段や照明、ちょっとした家電を使うときにも大助かりです。ここで注目なのがBLUETTIシリーズ。とくに以下の2機種は災害時の備えとして評判が高いモデルです。
● BLUETTI Elite 200 V2
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大容量2,073.6Wh & 高出力2,200W
スマホや家電を何度も充電してもパワーが余るほど。もし停電が数日続いても、しっかり電力を確保できる心強さがあります。
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最大9台のデバイスに同時給電
家族のスマホやLEDランタンなどを一気に充電できるので、取り合いになるストレスも軽減されます。
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AI-BMSで高度なバッテリー管理
バッテリーの状態を自動でモニターして、安全に使い続けられる仕組みがあるのは安心です。
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1.25時間で80%充電
一気に充電できるので、短時間でも必要な電力を確保しやすいですね。
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5年保証 & 安心サポート
長期にわたって防災用として活用できるのがありがたいポイント。
長期にわたって防災用として活用できるのがありがたいポイント。
● BLUETTI AC70
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768Wh・1000W双方向インバーター
コンパクトなのにしっかりした容量を備えており、普段使いの家電程度なら問題なく動きます。
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電力リフト機能搭載
定格消費電力が2000Wまで対応可能なので、意外と幅広い家電が使えそうです。
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1.5時間でフル充電
ACケーブル1本で素早く充電完了。常に十分な電気を蓄えておくことができます。
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UPS機能 & スマホアプリ管理
停電時でも約20msで電力供給に切り替わるため、突然の電源断にも対応できます。スマホから操作や状態確認ができるのも便利。
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5年保証
長期保管しておいても、いざというときに保証があるのは心強いですよね。
避難所の電源事情は予測しにくいだけに、ポータブル電源があると心の余裕が全然違ってきます。そもそも非常用電源は、キャンプや車中泊などのアウトドアでも活躍するので、一台持っておいて損はないはずですよ。
避難所に行くか、または自宅で待機する基準は?
「自宅の被害が軽微なら在宅避難のほうが快適」と言われることがありますが、実際には以下のような基準が目安になります。
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自宅の倒壊・焼損・浸水の危険性
壁や屋根に大きなひび割れがある、上下水道が完全に機能しないなど、安全に生活できないと判断したら速やかに避難所へ。
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ライフラインの復旧見込み
水道・電気などが早期に復旧するなら在宅のほうが安心ですが、長引きそうな場合は避難所のほうが他の避難者との情報共有や救援物資を受け取りやすい利点もあります。
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家族構成やサポートの必要性
高齢者や小さな子供がいて、自宅での介助が困難な場合は避難所へ行ったほうが医療スタッフや行政のサポートを受けやすいケースがあります。
在宅避難はあくまでも自宅が安全に使える状態で、ある程度の備蓄や装備(ポータブル電源や食料・水)がある方に向いている選択肢です。反対に自宅が危険な場合や、サポートが不可欠なら、ためらわず避難所を利用したほうが得策でしょう。
結論
避難所は多くの被災者が集まって生活する場所だからこそ、「安全」と「最低限の快適さ」を両立させるためにも、持ち物を厳選することが大切です。可燃性や爆発性の危険物を持ち込まないのはもちろんですが、大きな家電や不衛生になりやすい物なども避けて、「本当に必要なもの」だけをコンパクトにまとめる工夫が欠かせません。
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危険物(可燃性・爆発性)は絶対に避ける
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大型家電や大量の使い捨て品は周囲とのトラブルのもと
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LEDライトや再利用可能な食器などに切り替える
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ポータブル電源を用意すれば、避難所でも最低限の電力を確保
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“自宅避難”と“避難所避難”どちらが合理的かを見極める
災害が起きてから荷造りを始めると、慌ててしまって必要なものを忘れたり、持ち込まなくていいものまで抱えてしまいがちです。日頃から「持ち出すもの」と「持っていかないもの」を分けておけば、いざというときに落ち着いて動けるはず。特にポータブル電源のように大きめの防災アイテムは、キャンプなどのアウトドアでも活用できるので、普段から用意しておいて損はありません。準備を万全にしておけば、非常時にも無理なく行動できるでしょう。
FAQ(よくある質問)
Q1. 避難所に持ち込まないほうがいい物の例は?
A. 危険物(ガソリン・スプレー缶など)、大型の家電や家具、腐りやすい生鮮食品、大量の使い捨て皿などは避けましょう。避難所の安全や衛生管理を損なうおそれがあるからです。
Q2. 避難所でロープやコンパスは本当に必要ないの?
A. 防災グッズとしてよく挙げられますが、実際には使いこなせないと意味がなく、荷物になるだけという意見も多いです。専門家の指導のもとで訓練済みなら役立ちますが、そうでないなら持ち込まず、スマホ・ラジオ・地図など代替手段を用意するほうが賢明です。
Q3. 大きなテレビや冷蔵庫を避難所に持ち込んだら駄目ですか?
A. 設置スペースや電力の確保が難しいため、基本的には避けるべきです。そもそも避難所では個人が大型家電を使うことが想定されていないので、場所を取って周囲の迷惑になりかねません。
Q4. 避難所に行くか在宅避難するか迷っています。決め手は何でしょうか?
A. 自宅が安全に生活できる状態か、ライフラインの復旧見込みや家族のサポート体制などが鍵になります。自宅が危険なら避難所へ、ある程度機能しているなら在宅避難を検討し、状況に応じて柔軟に動きましょう。
Q5. 避難所で快適に過ごすためにはどうしたらよいですか?
A. 避難所は多くの人が長時間共同生活を送る場所ですので、最低限のプライバシーや衛生、睡眠環境の確保が鍵になります。具体的には、折りたたみ式のパーテーションや簡易仕切り、耳栓やアイマスクなどで自分だけの空間を作ったり、こまめに掃除やゴミ捨てを行うことで周囲の人とのトラブルを減らせます。また、寝床が硬い場合にはインフレータブルマットや小さめの枕を用意すると疲労も軽減できるでしょう。さらに、ポータブル電源があれば夜間の照明やスマートフォンの充電も安定して行えるので、精神的な安心感を得るうえでもおすすめです。もし分からない点があれば、スタッフや他の避難者と情報交換をするなど、周囲とのコミュニケーションを大切にしてください。
以上、避難所で「持って行かない方がいい物品」とその理由、代替案、そして避難所・在宅避難の基準について解説しました。大災害はいつ起きてもおかしくありません。この機会に自宅の防災グッズや荷物の中身を見直して、必要以上に荷物を増やさず、本当に役立つ物品をコンパクトにまとめておいてください。特にポータブル電源のような電源確保装置は、避難所・在宅避難どちらのケースでも心強い存在になるはずです。悔いのない備えを整えて、災害に備えましょう。