車中泊やキャンプで大活躍のポータブル電源を車内に置きっぱなしにしていませんか?実は、それが故障や寿命低下の原因になるかもしれません。特に真夏や厳冬時の車内は、ポータブル電源にとって過酷な環境です。発火事故などを起こさないために車内での保管方法や電池の特徴を確認しましょう。本記事では、ポータブル電源の特性を踏まえ、車内での適切な保管方法をご紹介します。
車内放置は可能?メーカー推奨の使用環境を確認
ポータブル電源を車内に置きっぱなしにしても大丈夫なのか、気になりますよね。結論から言うと、メーカー推奨の使用環境を守れば問題ありません。しかし、実際の車内環境は過酷。どんな点に注意すべきか、詳しく見ていきましょう。
使用環境の温度範囲をチェック
まずは、製品ページで使用環境の温度範囲をチェックしてみましょう。
多くのポータブル電源は、使用温度と充電温度が分けて表示されており、-10°C〜40℃の使用環境を推奨しています。例えば、上記画像のBLUETTI AC240の場合、放電温度がマイナス20℃から40℃、保管時の温度がマイナス10℃から45℃までが推奨範囲です。
この温度範囲内であれば、一般的に車内に放置しても問題ないとされていますが、注意すべき点があります。この温度範囲は気温ではなく、車内温度を指しているのです。実は、40℃以下の車内温度が保たれる期間はかなり短いのが現状。真夏の車内は、想像以上の高温になることがあります。そのため、ポータブル電源を車内に置きっぱなしにする場合は、車内温度が40℃を超えないよう、細心の注意が必要です。
リン酸鉄リチウムイオン電池搭載ポータブル電源の耐熱性
リン酸鉄リチウムイオン電池は、正極材料にリン酸鉄リチウムを使用。熱的に非常に安定しているため、過充電や短絡時でも発熱や発火のリスクが低く、安全性が高いことが特徴です。他のリチウムイオン電池と比べ、熱暴走が起こりにくいのがメリットとなります。
- リン酸鉄リチウム電池なら高温に強い
- ただし、長時間の高温放置は避けたほうが賢明
とはいえ、リン酸鉄リチウムイオン電池であっても、夏の車内への放置は避けるべきでしょう。耐熱性に優れていますが、長期的な容量低下や性能劣化のリスクがあるためです。リン酸鉄リチウムイオン電池のメリットデメリットは、「リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのおすすめポータブル電源」で解説しています。
ポイント1:真夏の車内は60℃超!高温に要注意
夏になると、車内の温度が高くなることはご存知でしょう。しかし、その温度が想像以上に高温になることを知っている人は少ないのではないでしょうか。ここでは、真夏の車内温度が及ぼす影響について詳しく見ていきましょう
高温がバッテリーに与える影響
真夏の炎天下で駐車した車内は、想像以上の高温になることをご存知でしょうか。JAFの調査によると、気温35℃の真夏日に、エンジンを止めてから30分後の車内温度は約45℃にも達するそうです。また、駐車条件が異なる5台のミニバンを用いた実験では、車内温度は最高で約60℃を記録したとのことです。このような高温環境下では、車内に置いたポータブル電源のバッテリーが劣化したり、膨張や発火のリスクが高まります。
容量低下や寿命短縮につながる恐れ
高温環境下では、バッテリーの劣化が加速し、容量の低下や寿命の短縮につながる恐れがあります。特に、ポータブル電源によく使用されているリチウムイオン電池は、高温に弱いことが知られています。一方、リン酸鉄リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池と比べて熱に強いとされていますが、それでも高温の影響を受けないわけではありません。リン酸鉄リチウムイオン電池が高温にさらされると、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 電池内部の化学反応が促進され、自己放電が増加
- 電解液の分解が進み、容量低下や寿命短縮につながる
- 極端な場合、発火や破裂のリスクも
このように、高温はリチウムイオン電池だけでなく、リン酸鉄リチウムイオン電池にも悪影響を及ぼします。
車の車体カラーは車内温度と関係ある?
自動車技術会論文集(Vol.57,No.5,September 2021.)に掲載された「車室内温度に及ぼす車体色の影響」という論文で、車体色と車内温度の関係性が明らかになっています。
車体色によって日射の吸収率が異なり、黒や暗い色ほど日射を吸収しやすく、車内温度が高くなる傾向にあります。研究チームが様々な車体色の車両で実験を行ったところ、以下の結果が得られました。
- 黒い車両が最も高温
- 青、白の順に温度が低くなる
夏場の車内温度上昇対策として、車体色の選択は重要なポイントの一つと言えます。購入時には車体カラーにも気をつけてみてください。また、すでに暗い色の車をお持ちの方は、夏場の温度上昇に更なる注意が必要ですね。ただし、車体色以外にも車種やボディサイズ、ガラス面積なども車内温度に影響するため、色だけで一概に判断することは難しいともいえます。
ポイント2:冬場の低温にも注意が必要
ポータブル電源を車内に置きっぱなしにする場合、夏の暑さだけでなく、冬の寒さにも注意が必要です。低温環境下では、バッテリーの性能が低下する可能性があるのです。
低温時のバッテリー性能低下
マイナス10℃以下になると、バッテリーの容量が減少し、充電できなくなる恐れがあります。これは、低温でイオンの動きが鈍くなり、イオン結合が減るためと考えられています。つまり、容量が減るというよりは、イオンの動きが悪くなることで、バッテリーの性能が低下するのです。
適切な保管温度を維持する
冬場にポータブル電源を車内に置いておく場合は、適切な保管温度を維持することが大切です。
- 休憩時は車内に持ち込み、ある程度の温度を保つようにしましょう
- 理想的な保管環境は10℃以上です
ポータブル電源を使用する際は、バッテリーの特性を理解し、適切な温度管理を行うことが重要です。
ポイント3:やむを得ず車内に置く時は、積極的な対策を
できる限り、夏場の車内にはポータブル電源を放置しないようにしましょう。とはいえ、常に人が乗っているわけでもありません。お買い物や温泉などで車を離れることもあるでしょう。そのような短時間でも車内の温度は急上昇します。その温度変化を少し緩和する工夫をご紹介します。
断熱ケースやクーラーボックスの活用
ポータブル電源を断熱ケースやクーラーボックスに入れて保管することで、周囲の温度変化を緩和できます。ただし、あまりに冷やしすぎると内部が結露する恐れがあるので注意が必要です。
直射日光対策と換気の確保
- サンシェードを使って直射日光をカットしましょう
- 窓を少し開けて熱気を逃がすのも効果的です
なるべく車内の涼しい場所を選ぶ
シート下やラゲッジスペースなど、なるべく涼しい場所を選んでポータブル電源を保管しましょう。
これらの対策を組み合わせることで、車内の温度上昇を多少なりとも抑えることができます。
ただし、あくまでも応急処置であることを忘れないでください。長時間の車内放置は避け、できるだけ涼しい場所でポータブル電源を保管するのがベターです。
リン酸鉄リチウムイオン電池搭載のポータブル電源を選びましょう
リン酸鉄リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池と比べて熱に強いのが特徴。高温下でも比較的安定して動作します。ただし、どんなバッテリーでも長時間の高温には弱いもの。車内放置は極力避けるのが賢明です。
どうしても車内に置く必要があるなら、リン酸鉄リチウムイオン電池搭載モデルを選ぶと、車内放置のリスクを軽減できるでしょう。BLUETTIのポータブル電源は、安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン電池を全製品に採用。アウトドアシーンでも、安心・安全にお使いいただけます。
過酷な環境に強いBLUETTI AC240
そんな車内放置のリスクを軽減してくれるのが、「BLUETTI AC240」です。アウトドアシーンでの使用を想定し、IP65の防塵・防水性能を備えているのが特徴。
雨の日も晴れの日も、埃や泥、塩害、湿気が気になる環境でも、AC240があれば安心して電力を供給できます。さらに、20以上の革新的な特許技術を搭載した「マルチプロテクター」により、水の浸入による内部コンポーネントの損傷の心配もありません。
容量は1,536Whと大容量ながら、最大10,136Whまで拡張できるのもポイント。キャンプや車中泊はもちろん、万が一の停電時にも力を発揮します。そして、搭載バッテリーには、熱に強く安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン電池を採用。充放電サイクル数は3500回以上と長寿命で、10年以上の使用に耐えられる堅牢性を誇ります。アプリ対応で遠隔操作もできる上、業界トップクラスの6年保証付き。アウトドアでの使用に最適な、頼れるポータブル電源です。
まとめ
ポータブル電源は、アウトドアシーンで欠かせない相棒。でも、真夏や厳冬の車内放置は、故障リスクが高まる危険行為です。リチウムイオン電池より高温に強いリン酸鉄リチウム電池を搭載したモデルでも、長時間の車内放置はNGです。やむを得ず車内に置く場合は、断熱ケースの使用や換気など、温度変化を緩和する工夫を。普段は屋内の涼しい場所で保管しましょう。BLUETTI AC240なら、高品質のリン酸鉄リチウム電池を搭載。優れた耐熱性で、安心して使えます。メーカー推奨の使用環境を守り、上手にバッテリーを維持して、ポータブル電源と長く付き合っていきましょう!